#17.. 食堂 |
| Update : 2005/07/02 15:21:00 |
高校時代の思い出として、食堂というものがある。
大学は食堂の設備が随分と整っているもので、大学に入学してからは随分と食生活が改善された。
しかし、今振りかれるとなかなか凄いものであった。私が崇拝する高校教師の一人であるRの言葉を借りると、“えぐみのある”と言える。
メニューのひとつにカツ丼がある。無論それは別に珍しいわけではない。
ただ、その噛み切れないほどの硬さからゴム丼と呼ばれている。私の友人のOUも普段からその名で呼んでいたため、ついつい食堂のおばさんに“ゴム丼”と注文してしまったことがあるらしい。
次に卵丼というのがあるが、これはそのグラフィックから人々にゲー丼と呼ばれていた。
どんぶりにご飯を盛り、おばさんが今朝食べたものをその上に吐き掛けているという神話があるほどだ。
これらは今に始まった話ではなく、この高校の創立と共に歴史を育んできたそうだ。と私のエターナル師匠であるHTが仰っていた。
私はこの二つを食べた事が無い。だが、一つだけ私自身の身に降りかかった出来事がある。
私はある日、ラーメンを注文した。そして出来上がったラーメンを運ぶおばさんの指が注文したラーメンにどっぷりと浸っていることに気が付いた。
もやしを掴む方の手はビニル手袋をしているが、逆の手なので素手であった。
「おばちゃん、指入ってる!」と私は叫んだ。
すると、おばさんはすました顔で
「大丈夫、熱くないから」と言った。
私は完全に沈黙して席に着いた。
(誰があんたの心配などするものか)
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