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えむえむ・ザ・ワールド
#12.. KFC
 | Update : 2005/07/02 15:21:00 |
ある日、私は友人のクーポンに尋ねた。

「KFCって何の略だ?」

「交野フットボールクラブ」

「マニアックだな」

「じゃあ、なんだ?」

「川田ファイトクラブ」

「もっとマニアックやん。つーか、ねーよ。そんなの」

「カネボーフーズコーポレーション」

「おい、丹波橋だぞ」

「なに!」



あれから、何日過ぎたことか。

今、私はKFCのカウンターに並んでメニューを見ている。

私の目的はチキンを二つ、ポテトを一つ入手することである。飲み物は自宅で調達する。別にケチっているつもりは無いが、自転車で帰ると家に着くまでに飲み物は半減するので勿体ない。

ところが、チキンのセットには、チキン二つとサラダのセット、チキン三つとポテトのセットしかない。グラタンとクリスピーが含まれたセットなどは論外である。

(やはり、単品で買うしかないか)そう思い、私はその事をレジのオバさんに告げた。

「それなら、チキン二つの480円セットにした方がお得ですよ」とオバさんは言った。

私は、

「ポテトは欲しいがサラダは欲しくないのだ」とオバさんに告げた。

すると、

「サラダの代わりにポテトをつけましょう」とオバさんは提案した。

「そんなことが本当に可能なのか?」と私は問うた。

「わたしを誰だと思っているの?」

(アルバイトのオバさん)もちろん口にはしなかったが。

何はともあれ、少し得をして昼食を購入できた。



ところで、なぜ私がこんなファーストフード店のレジにオバサンがいるような、平日の昼間に家に近くにいるのか?

それは、今日の講義が二つ休講になったため、10時30分に帰宅可能となったからだ。

一限目の講義終了後、私はETとのイベントを終えてトイレに駆け込んだ。

そして、他に誰もいないことを確認してから、鏡に向かってバシルーラの杖を振った。

勿論、鏡の反射で位相が半波長ずれる事を計算したうえで。



さてここで、このバシルーラの杖をどこかの教授に渡したら、どうなるだろう?

居眠りしている生徒に向かって

「おまえ、寝るんなら帰れ」と杖を振るだろう。

うるさい生徒も同様である。

そんなありそうも無いことを、電車の中でニヤニヤしながら考えていると、他の乗客が不振そうに私を見つめている。

“思い出し笑いをする奴は○○だ!”と言う人間は少なからず存在するが、私の場合は思いつき笑いなので問題は無い。

それでも他の乗客たちは、私が笑う理由を知りたくて仕方が無いようだ。

マスメディアの毒にさらされ、世俗の垢にまみれた人々は、他人の些細な情報でさえも知らずにはいられないのだ。

(そんなに知りたいなら素直にそう言ってくれれば、私だって包み隠さずに教授とバシルーラの杖の推論を力説してあげるのに)

「誠に残念なことよ(けり詠嘆)」



だが、このときの私はまだ知らない。

三時間後、マイクロソフト社にVisualC++.netの使い方を質問しようとして、一問に付き一万円かかるという衝撃の事実を受付嬢から聞かされることになろうとは。

(マニュアルが付いていないのだから、基本操作の質問くらい聞いてくれてもよさそうなものなのに)

何はともあれ、今日が私の誕生日であることに違いは無い。



ハッピーバースデイ、フロム私トゥ私。
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