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えむえむ・ザ・ワールド
#11.. 木曜と実験と当惑
 | Update : 2005/07/02 15:21:00 |
木曜日、それは私が所属するサークルの活動日である。

今日は朝一限からソフトウェア工学、続いてプログラミング演習、そして止めに情報学実験がニ連続という専門科目のオンパレードであった。

地獄の木曜日とはこの事であろう。



その上、実験のシェルプログラミング担当教官は、キャンプ場やビーチにいそうなレンジャー風のジャケットを着、日本では海にでも行かないと拝めないような派手なサングラスをかけた、褐色の肌の30代(推定)の男である。

私は日系ブラジル人ではないかと正直疑っている。

その教官はいつも怒っているような態度で、さらに2週目は髪が金色になっていたので、とても話しかけ難いオーラを醸し出していた。

「来週までにシェルが終わらない奴は死ね」と言った後、教官は眠ってしまった。よく見ると、腕にはネオジオン軍のリストバンドが装着されていた。こんな男が人工知能の研究者として、この大学にいることに疑問を感じたのは私だけではないだろう。



そんなこんなで疲れた私は、論理回路の実験で力尽きたりんたロームと待ち合わせてサークルの部屋へと向かった。

サークルの構成員は、4回生の元会長、2回生のロキ、権力の申し子であるM3生、研究で忙しいM1生等、来るのか来ないのか良くわからない面子である。確実なのは私と共に会長の片割れを担うりんたロームと、メルクリウスである。



部屋に向かう途中、もう一人の参加者であるメルクリウスにメールを送ったところ、家に帰っていることが判明した。例会とは言うものの、今日は得にする事もなかったので、どちらでも良いという内容の返事を返したところ、30分位経った後返事が来た。

どうやら眠っていたらしい、自分自身に突っ込みを入れるリプライが返ってきた。

この短時間でよく眠りにつけたなぁと感心しつつ、西日の当たる部屋で猫のように丸くなって心地良さそうに眠るメルクリウスを想像して微笑ましく思った。

(そこへ、私の隣にいるりんたロームの重低音なデスボイスが、心地よく眠っているメルクリウスの耳元で不気味に囁いたならば、一体どうなるだろう?)

結局、二人だけでは活動にならないのでお開きとなった。

私はメルヘンな結末に苦笑しながら、りんたロームとドナドナを歌い帰路についた。
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